「塩の街」を読んだ [おくに文庫]
読書部員から借りたこの本は、私に静かな衝撃を与えた。
甘くて辛い。
人が塩の塊になってしまうという平和な人々を襲った現象。その状況下の中で、2人の登場人物が様々な人物に出会い、人間の弱さと強さを実感していく。
普通の生活での「頑固さ」は、クリティカルな状況ではもしかしたら自分を奮い立たせ、何時もぶれない軸になるのかもしれない。
自分でなく、大切な人が塩になってしまったらどうするのだろう。
読み終わったときの感想を、同じ状況下で持ち続けたいと思った。
現在も救出が続行されているチリ落盤事故を思う。
そしてこの言葉を思い出す。
奪い合えば足りぬ、分け合えば余る。奪い合えば憎しみ、分け与えば安らぎ。
人間とはそこに尽きるもの、と思いたい。
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