スイッチ

ステキな女の子に一杯おごった
こんなことは滅多にしない

おいしかったです
たのしかったです

それだけ？ときく私に
それ以上になにか？
とツンと上を向く

そのしぐさは初恋のあの人に似ている

態度はまったく違うけれど
姿しぐさは生き写し

姿カタチが似ていれば
ココロはどうでも
追い求める

見た目でふらりと
道を外れるのは
初恋のころのあのときの
私そのものだ

それに気づいて
ふっと唇をゆるめると
ぱちんとたちまち初老の私

たったひとつの
小さなスイッチで
人はあの頃に戻れるのだ