理系の恋、文系の愛 [うた]
昨日、数学者の方の話を聞く機会に恵まれた。
本気で数学を語られたときは皆目わからなかったが、収穫はあった。
語っていいかな。
「物干しセットの価格の法則は、本当に当たるんですよ。数式で適正価格は出せるのですが、なぜ売れるかきっちりとした理由はわからないんです。なんでかわからないけどわからないことって世の中に本当に多いんですよ。」
─なんでかわからないけどわからないことって世の中に本当に多いんですよ。
そうだ、それは数年前まで私の中でやんわりと漂う思想(?)だった。
このところ、自分の行動とか仕事の流れとかには必ず理由があるものだと追求し続けて疲れてしまった私にキュウッと効く、救いの一言だった。
「実は、理系の人は理屈っぽくないんですよ」
わお!私ってば理屈っぽくなってる…。
と、その数学者がかみくだいていうセリフに対して、いちいち反応していた私。
はっきり言って、現在のように理由を求めはじめる以前は、恋愛など人間関係で悩んだことはなかった。そう、世の中にはわからないことはたくさんあって、人を理解できないのは当たり前と思っていたからだ。
その頃の人づきあいは、理系のそれといった具合だろうか。
なのに、あるときから理屈を追い求める窮屈な人間になっていた。昨日の記事にも「デキる女の理由づけ」とかかいちゃったしさ。
まあそれはいいとして(と棚に上げる)、たしかにそれから不平不満が多くなった気がする。考えすぎて眠れない夜もあった(なんかカッコいいな)。
ここ数年で始まった人づきあいは文系ヨリかもしれない。悩みは増えたが、かなり前からの友人知人からは「少し人間ぽくなった」と言われる。
真剣なのはいいけれど、深刻なのは問題。世の中に割り切れないことはたくさんある。でも人間としての是非フィルタはかけること。
理系は相手を追い込まない大らかな恋、文系は相手のことを深く思いやる愛。どっちがいい、悪いではない。恋愛関係に悩むことがあったら、理系と文系のバランスが崩れていないか考えてみるといいかもしれない。
何もムリクリ分類しなくても、と思うかもしれないが、ちょっと提唱することで楽になる場合だってあるのだ。だから許して。
自信のもと [うた]
自信がないと思ったら
その理由を
なにかにそっと書き出しましょ
それが自分に自信をもてない種
芽が出ないように
破っちゃいましょ
捨てちゃいましょ
そうしたら
残った自分に水あげよ
理想の読書 [うた]
面白い本は
すぐに読み終えてしまうから
つまらない
子どもの頃は
面白さが自分以外の都合で
ひと段落すると
もっともっとと
せがんで泣いて
眠って忘れるしかなかった
大人になって忙しくなると
面白さが
適度に終わることを望んだり
ときには
自ら断ち切ってしまうことがある
ところが最近どうだろう
もっともっとと
自分で求めて
まんまと持続させてしまう
私は
大人なのだろうか
子どもなのだろうか
きっといいとこどりだろう
ブーメラン [うた]
これまで
たしかに
見えるものしか見ていなくて
触れられるものしか触れていなくて
でももしかしたら
なにも見えていなかったのかもしれない
なにも触れていなかったのかもしれない
そんなとき
キンモクセイの香りに
足を止めた
自分の感覚の世界が広がって
ブーメランのように
しなやかに戻ってくる
この感覚を忘れてはならない
嗚呼、ネコさまっ! [うた]
やりたいことを見つけては
奥のほうでさわさわするが
モノには順番というものがありんす
そのときそのとき
本当に
一番やりたいことを
コツコツやって生きていれば
たとえ今すぐ死んだって
悔いある人生になんて
ならないざんしょ
そうざんしょ
ダイヤモンドの作り方 [うた]
子供のように
イタイイタイと
すっころんで
その元凶は
私の中にあった黒い石
ダイヤモンドなら
よかったのに
それとも磨けば
そうなったかしら
だから先生
出せといったのかしら
言えば返してくれるかしら
先生高飛びしているかしら
ならばもひとつ
つくりましょう
実はもひとつ
隠しているの
今度はだれにも
言わないもん
出たってだれにも
言わないもん
子供のように
だだこねて
奪おうものなら
口から飲んで仕舞いましょう
アスファルトの虹 [うた]
工事現場の脇の道
到底きれいでない水が
つつつと流れて足元に
伏目がちでも
見えた虹
ちゃんと七色してました
下を向いてて歩いてて
虹が見える
都会の不思議
上を向いて歩きましょうか
もっといい虹見えるかも
もっといいもの見えるはず
ナツイアツ [うた]
子供の頃のコトバ遊び
今年はそんなナツだった
そんな想いをめぐらせながら
線香花火に火をつけた
線香花火に火がともる
あの時あの人あんなこと
ずいぶん昔の
あの頃とは
なにかが違う
コトバ遊び
今では意味を求めている
線香花火が光ってる
昨日までの出来事は
みんなすべてが思い出に
線香花火が身をおとし
私のナツがはじけてとんだ
線香花火が、目にしみた