うしろのありがとう [うた]
パチンという音がして
読書用のランプの電池が切れた
毎日毎日使っていたからね
がんばってたの気づかなかったな
朝が来る
昼が来る
夜が来る
当然のように
毎日来るもの
毎日あるもの
思い浮かべた
当然のように
思っていたのは
なんでだろう
毎日言うべく思うべく
たくさんの感謝の気持ち
どこかにちょっこり
ひそんでて
言ったもん勝ち
ありがとう
その答えは
も一度かすかに
チカッと光ったランプの
ありがとう
君の名は [うた]
今日、かわいい女の子に会った
そう、私が柿の実を撮っていたら
ちらりとこちらを見たのだった
柿の実は
渋柿なのか甘柿なのか
わからない
女の子はかわいかった
ついと頼めば
柿の実よりも間近で
撮らせてくれそうな
人懐っこい表情だった
そんな彼女は
たたたと坂道を
愉快に下っていった
柿の実は
甘い気がした
名など知らなくても
いいだろう
そんな出会いが
この世にはある
まず
君たちもそうだろう
うろこ少年 [うた]
今日ね
うろこ雲の意味が
わかったよ
呼ばれるわけが
わかったよ
さば雲、いわし、まだら雲。
今日見た雲は
うろこ雲
あのうろこ一つ一つに
誰かが乗って
漂いながら
こっちを一瞥して思う
下の世界はどうだろう
ちょいと降りてみようかな
ところどころ
うろこがはがれて穴あいて
ぽこぽこ青空見えている
お空が青空ひとつになったのは
うろこに乗った少年が
こっちに降りてきたからなのさ
夢旅行 [うた]
たとえば
エジプトもピラミッドも
その存在や言葉さえ
聞いたことない少年が
ひょんなことから
エジプト入り
当然ピラミッドに気づく
「なんだ、こいつは」
まるで
ピラミッドの第一発見者のように
深く驚き感動する
帰って兄弟に伝えると
「なんだよ、ピラミッドだろう」
「知ってるよ、お前はそんなのも知らないのか」
まったくもって相手にされない
仕方がないから少年はほおづえついて
あのピラミッドを思い浮かべてみる
実は
少年こそが誰よりもピラミッドを知っている
さすれば
こんな旅はどうだろう
ピラミッドを見に
エジプト旅行を計画する
現地に着いた途端
私の中のピラミッド情報が
さっくり失われる
リセットしに行く旅でなく
リセットされて旅する旅
まっさらな状態で見る
ピラミッド
私の目にどんな風に
映るんだろう
私の知らないとこはどこ
私の知らないことはなに
「知らない」に
思いがけなく出会う旅
どこの一番といおう
なんの一番と言おう
とにかくこの上なく
贅沢な旅
そんなことを想像しながら
見る夢も
果てしなく贅沢な夢
ネコ跡 [うた]
僕にはなんてことないこの路地に
なに食わぬ顔で居座る君が
うらやましくって仕方ない
僕には見えないわからない
この場所のオイシイところ
君は感じることができるんだろ
だからそんなにかたくなに
まんじりともせずいるのだろう
右手をあげてくれまいか
どうしてそこがいいんだい
しっぽをどけてくれまいか
なにか秘密があるんだろ
時間があけば別の場所
そうして君を追いかけて
いくつの時がたつのだろう
それでも僕は追いかけるだけ
ああでも
君をつかまえる
そんな気はないから
どうかどうか
僕の見えるところにいておくれ
僕がなににも追われない
至福の時は
君の存在にかかっている
おくに日記（10/5） [うた]
最近、知らない人とは会っているけど、見知っている人とは会っていなくて。友達に会ったときにどんな反応をすればいいのか忘れちゃっているんじゃないかと心配だった。が意外にフツーに対応できた。差し入れもって訪ねてきてくれたユージーンに二重に感謝。そしてうちにはできあいの食物が皆無なので、茶以外すべて「おもたせですが」状態でおもてなし（じゃない）。
今は小麦粉と卵さえあれば、ホットケーキで腹はふくれるし、ちょっと余裕があればキャベツ買ってきてお好み焼きで豪勢にもてなすことだってできる。今回はキャベツを買えなかったけど…。このシステムなら1ヶ月食費1万でイケるかも！いやイケてないだろう！それでも持ち前のチャレンジ精神がフツフツと。だめだ…根っからノンセレ（ブ）だわ。
（写真左）デジカメにこんな画像が…。タカミィがうさ耳に見えて撮ったのだった。
（写真右）あ！あった！もてなせるものが！先日両親がくれたわが故郷の菓子「母恵夢」。
