NIKKEIアート・プロジェクト「写真を買う」こと。 [キーワード]
NIKKEIアート・プロジェクト『家をアートする~買って飾る楽しみ』に行ってきた!
◇LIVING WITH PHOTOGRAPHY~アート写真のabc~
写真雑誌『IMA』エディトリアルディレクターの太田睦子さんが、ギャラリストの小山登美夫さんにテーマと寄り添った質問を投げかけた1時間半。
小山さんの「好きなものでいいんじゃないかな」という時折のざっくり発言のおかげで、高尚にかたよりがちなテーマも終始なごやかな雰囲気で楽しめた。
写真の傾向としては「アートフォト」と「ストレートフォト」の2種類が台頭しているという小山さん。自身が好きな写真家として、史上最高額を叩きだしたアンドレアス・グルスキー、タブロー写真(絵画写真)の先駆者ジェフ・ウォール、「ニュー・カラー」作家を代表するウィリアム・エグルストン、ドイツの前衛ウォルフガング・ティルマンスを挙げていた。
まるでアートとこれぞフォトの中間的存在であるのがライアン・マッギンレーとも。写真の価値は対象とのコミュニケーションにもよる、との前述通り、彼の写真はハッピーなプロセスが全開。その過程に参加したくて自ら声を挙げる著名人も多いのだとか。
しかしそのような有名な写真家の作品は複製といえどもちょっとお高い…。
そんな庶民の声を代表するのごとく「やっぱり敷居が高い…」と太田さんはやわらかい口調で切り込み隊。まぁ永遠の課題ともなるだろうが、要は直感で買うのは危険、家に帰ってからギャップに陥りがちとかそもそも論もあったりする。
やはり、いっぱい実物を観て気に入った作品があれば、なぜひかれるのか考えて目を肥やしていくことにより、確実な逸品にだんだん効率的にアプローチできる、と。まぁなんでもそうだ。
今日読んだ、ぜんぜん種が違うコラムでも「結局人間はMAXにいたって溺れ、身の程を知る」ようなことを書いてあった。「結果がすべて」が崇められた時代の次に来た「よい結果は過程で育つ」の今。
でもやっぱりリスクは避けたい。それならギャラリーという場を賢く利用してみれば。これは仕組まれた提案ではなくトークの流れで出てきた、小山さんの素直な一言。
「買わなくちゃいけないんでは…」なんて思考でいっぱいいっぱいにならず「聞くのはタダ」という意識で望んでいっぱい聞く。
それでも多少の勉強は必要だろう。写真の歴史は絵画や彫刻のそれを追うより大変じゃないはずという太田さんの言葉にハッとさせられた。今や携帯やスマホで老若男女がこぞって写真を撮る時代。実践もできるし、SNSで共有もできたりする。理論をイチから真剣に学んでみるといろいろ広がるに違いない。
さて小山さんといえば清澄のギャラリーが有名だが、シンガポールにも進出したとのこと。シンガポールは政府が先導切ってアートに取り組みつつあるそう。「実はアジアには美術館がある国が少ない」とは意外な事実だった。
シンガポールといえば海南鶏飯!
本場で食べつつ、アート巡りっていいよなぁ~。
とまた食べ物でしめくくると思っただろう。
実はこのトークショーの前にはMINI JAPAN広報の方からプチ宣伝があった。といってもMINIが取り組んでいるアートの模様を遊びココロいっぱいに披露してくれた。
昨年開催された日本の建築家(原広司、伊東豊雄、藤森照信、大野秀敏、隈研吾、青木淳、SAANA[妹島和世+西沢立衛]、山下保博、[手塚貴晴+由比])とコラボしたRAIDING PROJECT Crossover architectureの模様である(参考PDF:797K)。
「コンパクトなMINIにならって、お話もコンパクトにさせていただきます」なんて、なんともおちゃめ。メモメモ(どこで使う)。
アンケートで特製ストラップをゲットでござる。
「NIKKEIアート・プロジェクト」は1回出ただけでなんだが、アートに興味はありつつもなかなか入りにくい私のような者にとっては、歩みはじめるのによいきっかけとなるプロジェクトだと思うのだ。
NIKKEIだけに協賛も豪華絢爛だしね。
コメント 0