「お伽草子」展@サントリー美術館(六本木) [キーワード]
サントリー美術館で催されている「お伽草子」展に行ってきた!
このところ無料のイベントを基本としているので、有料のは久しぶり~。アートなお友達が招待券をプレゼントしてくれたのだ。
結果から言うと、すっっごく面白かった。自分でもびっくりするくらい釘付けになり、ぜんぜん見知らぬご婦人たちと顔を見合わせて「面白いですねぇ」と何度もほほえみあったくらいだ。
「全部よかった」けど、それだけで終わらせるのもなんなので、おくにが三度見した物語をいくつかご紹介(えらそう)。
1位は(順位なんだ)…化け蟹が出てくる『岩竹』。吉野山に住む巨大な化け蟹の討伐が主題なのだろうが、私の衝撃に反して扱いは小さかった…(やはりマニアックなのか)。
これを考えた人が現世に生きていたら、モスラとかガメラとか特撮モノをつくっていたと思うのだ。
2位は…『しぐれ絵巻』(ドラえもん風に言ってください)。三条の姫君を見初めた中将が親族に記憶を喪失させられ、正気に戻った時すでに姫は帝の妻に。悲しみで出家するという公家恋愛譚だが、身分の高い男性が女性をさしおいてくっきり二重まぶたという女流画家らしいエッセンスが加えられている。28歳の画家は1513年8月17日というつづった日付と共に「見終わったら火にくべてほしい」と書いていた。にも関わらず残っていることに対してご本人はどう思うだろう。
この人が今いれば、ボーイズラブ作家になっていたのでは。
3位は…『付喪神絵巻』(読めない。「ツクモガミ」だって)。煤払いによって捨てられた小道具が捨てた人間を呪って化物になるが、最終的には出家するというなんとも殊勝な御伽草子。人間に復讐するという仲間に1人(?)反対した数珠の一連上人は、最終的には皆を受け入れ出家させるのだけど、この数珠の一連上人さんの絵がミスタードーナツのポンデライオンのように愛らしかった。
この作者が今生きていれば、『アンパンマン』的なキャラの生みの親として人気を博しただろう。
他にも、どうしても童子とは思えないデカさの『酒呑童子』や、小男のまま才能で姫をおとした、『一寸法師』とは一線を画する『小男のそうし』、毘沙門天のお告げと勘違いさせて姫をめとろうと竹でささやく『ささやき竹物語』、32種の職人を左右に分けて優劣を競うゲームのような『三十二種職人歌合絵巻』などなど、とにかく誰かに語られているようで思わず小さくつっこんでしまう物語が満載なのだ。
ああ…主催者の方、願わくばtwitterでいちいちつぶやいてほしい。
この「お伽草子」展を紹介してくれた友人は『福富草紙』が気になった様子(詳しくはこちらで)。おくにの話ではすっかりサブカルチャー的な紹介になってしまったので、ぜひしっかりした批評を御覧ください。
あ、『福富草紙』は放屁芸の長者の話ね。プッ
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